泥に咲く花  二〇一二年九月二十八日 ひとしずく九四

人が踏み込んだら
汚れてしまう
近づかないでいたいと
思わせる
そんな泥沼に
私は埋もれている

他の花たちのように、
周りをレンガで囲まれた所や
白くペンキで塗られた
木の柵の中に
きれいに植えられることはない

邸宅の中を飾る役目をもらって
部屋のど真ん中の
天使のレリーフのついた
鉢に植えられて
テーブルの上で皆の注目を浴びるということもない

私だけどうしてこんな泥沼に?
何故、神様はこんなに不公平なのですか?
涙の内に、幾度も叫んだ

神様はついに答えられた:

我が子よ
愛する私の花よ
最も低い所の
人が近づけない
涙の泥の中で

あなたの心は清められているのだよ

やがて、あなたは
天の栄光を映すようになる

あなたの純白の花びらの間から

私への賛美が溢れるようになり
その美しさに立ち止まって
感動のため息を
もらさない者はいなくなるだろう

喜びなさい
この泥こそが
あなたに大切な養分を与え
地上で無二の美しいものに
成長させているのだから

私はあなたを片時も離れず

あなたを見つめ
あなたの成長のために
必要な光と水と養分と風と
全てを注いでいる

あなたのための
私の計画と業は成就する
だから、まだその時を見なくても

あなたの置かれた、その泥の中から
賛美と喜びの声を聞かせてほしい

あなたは特別に
選ばれて
私の栄光を表すために
創られた器

苦難の泥から
まばゆい輝きを放つ

わたしの愛する蓮花として